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共同研究

シアル酸糖鎖物質は、免疫力の向上や美肌効果、さらには育毛の促進など、多方面にわたる有用性が知られています。当研究所では、これらの多彩な作用の中でも特に「抗ウイルス活性」に着目して基礎的な研究に取り組んでいます。ウイルス感染の脅威は社会全体の課題であり、そのリスク低減や新たな予防手段の開発に貢献することを目標としています。その一環として複数の大学と連携し、それぞれの大学では独自の観点からシアル酸糖鎖物質に関する研究を進めていただいています。

たとえば徳島文理大学薬学部生化学研究室では「シアル酸糖鎖物質の抗ウイルス活性」をテーマにインフルエンザウイルスをはじめとするウイルスに対する作用を検証し、そのメカニズムを生物学的観点から解明する研究を進めます。ウイルスの侵入阻害や感染の拡大抑制など、具体的な作用機序を明らかにすることで新たな応用の可能性が広がることが期待されます。

一方、横浜薬科大学薬学部生薬学研究室では「天然物由来シアル酸糖鎖物質の化学的性質」をテーマに各種天然物から抽出したシアル酸糖鎖物質の化学構造を解析し、その違いと生物活性との関連を比較検討してまいります。天然資源を基にした研究成果は、シアル酸糖鎖物質に関する学術的知見を広げ新たな研究領域の創出・発展につながります。

これらの大学との間では技術・情報の相互共有を積極的に行い、共同研究が円滑に進む体制づくりに努めています。今後も抗ウイルス活性をはじめ、シアル酸糖鎖物質の多面的な機能の解明と応用に向け、化学的・生物学的特性をより幅広く探究しながら、さらなる共同研究の拡大や新たな連携先の開拓を視野に入れています。この取り組みにより、社会に役立つ新しい知見や技術の創出に寄与していきたいと考えています。