お風呂の黒カビが肺炎の原因に?見直したい掃除習慣

お風呂は1日の疲れを癒してくれる、私たちの“リセット空間”。だけどふと目をやると、浴室のすみやゴムパッキンに黒いポツポツが…。
「掃除したのに、もうカビ?!」そんなふうに思ったこと、ありませんか?
実はこの“黒カビ”、見た目の問題だけではありません。湿気や汚れがたまりやすいお風呂場では、ウイルスや細菌が好む環境が整ってしまうこともあるんです。 今回は、カビとウイルスの関係性と、家族の健康を守るためのお風呂掃除のコツをわかりやすくご紹介します。
カビはただの汚れじゃない?
お風呂場に現れる黒カビの正体は、クラドスポリウム属と呼ばれる真菌(カビの一種)。このカビは空気中に胞子を放出し、吸い込むことでアレルギーや喘息、肺炎を引き起こすことがあるとされています。
カビは湿度が80%以上になると活発に繁殖し、25~30℃の温度で最も増えやすくなります。また、放置すると1cm³あたり数百万個の胞子を放出することがあり、目に見えないレベルでも空気中に広がってしまいます。
- せきや鼻水が出やすくなった
- 子どもの喘息が悪化した
- カビ臭さで気分が悪くなる
そんな症状、実は浴室のカビが原因かもしれません。

湿気と汚れで黒カビが広がりやすい
カビとウイルスの知られざる関係
カビが繁殖する場所は、ウイルスや細菌も潜みやすい環境です。カビが好むのは“湿気・汚れ・人の皮脂”などが集まる場所。こうした場所には、細菌やウイルスも留まりやすくなります。
さらに、カビが形成する「バイオフィルム(微生物の膜)」は、細菌やウイルスの生存を助ける“シェルター”のような役割を果たすことがあると指摘されています。
カビの表面は細菌やウイルスの温床になりやすい
- 給湯器や浴槽の残り湯(約37℃前後)にはレジオネラ菌(肺炎の原因菌)が増殖しやすい
- 湿度の高い浴室ではウイルスの生存期間が通常よりも2倍以上延びることも
【出典】
東京都健康安全研究センター 真菌研究室
東京都アレルギー情報navi.(室内環境対策)
お風呂掃除、みんなはどこまでやってる?
「毎日お風呂掃除してるから安心」と思っていても、実はカビや細菌が残っていることもあります。特に注意したいのが、ぬめりが出る場所。ぬめりの正体は、細菌が集まってつくるバイオフィルムです。
- シャワーヘッドの裏(細菌数が1cm²あたり100万個以上検出されることも)
- 排水溝のフタとその下
- シャンプーボトルの底
- 椅子や洗面器の裏
- 浴槽のふた
こういった場所を見直すだけでも、感染予防につながります。

掃除しにくい場所にカビや細菌が潜んでいます
感染予防につながるお風呂掃除のコツ
完璧に掃除するのは大変。でも、毎日のちょっとした習慣と、週1回・月1回のしっかり掃除を組み合わせれば、無理なく清潔を保てます。

まとめ:気持ちよく入浴して、家族の健康も守ろう!
お風呂場に生えるカビは、見た目だけでなく健康へのリスクも含んでいます。特に、カビのまわりには細菌やウイルスも生存しやすく、掃除の仕方によって感染予防にも大きく差が出ます。
でも、難しく考えすぎなくても大丈夫。大切なのは「意識すること」と「少しだけ手をかけること」。あなたのちょっとした工夫が、家族の健康を守る大きな一歩になりますよ。