1. HOME
  2. 記事
  3. 家庭でできる感染予防
  4. 家族が発熱したら、タオルや食器は分ける?家庭でできる感染対策

家族が発熱したら、タオルや食器は分ける?家庭でできる感染対策

家族が発熱したときのタオルや食器の扱いをイメージしたアイキャッチ画像

家族が発熱したとき、「タオルや食器は分ける?」「洗濯物も別にする?」「部屋は分けた方がいい?」と迷うことがあります。

発熱の原因は感染症とは限らず、必要な対応も原因によって異なります。まずは慌てず、換気や手洗い、咳エチケットなど、家庭でできる基本的な感染対策から始めましょう。

家族が発熱したとき、まず確認したいこと

発熱は、さまざまな原因で起こります。

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症でも、発熱がみられることがあります。ただし、熱だけで原因を判断することはできません。

咳や鼻水、喉の痛みなどがある場合は、呼吸器感染症の可能性も考えられます。

厚生労働省では、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などを「急性呼吸器感染症(ARI)」に含めています。

ARIの基本的な感染対策として挙げられているのが、換気や手洗いです。マスクの着用を含む咳エチケットも推奨されています。

原因が分からない段階で、家中を消毒する必要はありません。生活用品をすべて分ける必要があるとも限りません。

まずは、基本的な対策から始めることが大切です。


家庭で意識したい3つの基本対策

親子で石けんと流水による手洗いをしている様子

1.室内の空気を入れ替える

呼吸器感染症の対策では、換気が基本の一つです。

窓を開けて、室内の空気を入れ替えます。24時間換気システムがある場合は、そのまま稼働させましょう。

キッチンや洗面所の換気扇も活用できます。

窓を長時間、全開にしておく必要はありません。暑さや寒さにも気を配りながら行いましょう。

2.咳やくしゃみがあるときは咳エチケットを

咳やくしゃみをすると、口や鼻から飛沫が出ます。

症状がある人は、咳エチケットを心がけましょう。マスクを着用する方法もあります。

マスクをしていない場合は、ティッシュなどで口と鼻を覆います。とっさのときは、腕の内側を使います。

手で咳やくしゃみを受け止めた場合は、その後に手を洗いましょう。

3.手洗いのタイミングを意識する

病原体の中には、手などを介して広がるものがあります。

看病をした後や、鼻をかんだ後は手を洗いましょう。食事の前やトイレの後も同様です。

一日中、消毒を繰り返す必要はありません。

大切なのは、必要な場面で手をきれいにすることです。


家族が発熱したとき、部屋は分けるべき?

「熱が出たら、すぐ別室にした方がいい」と考える方もいるかもしれません。

ただし、すべての発熱で同じ対応が必要とは限りません。

たとえば、新型コロナウイルス感染症と分かっている場合があります。厚生労働省では、可能であれば部屋を分けるよう案内しています。

世話をする人も、できるだけ限るとされています。

一方で、原因が分からない発熱すべてに、この対応を当てはめるわけではありません。

家庭の状況によっては、部屋を分けるのが難しいこともあります。特に小さな子どもの看病では、距離を取れない場面もあるでしょう。

その場合は、無理に完全な隔離を目指す必要はありません。

換気をする。
近い距離で長時間過ごすことを減らす。
咳エチケットや手洗いを意識する。

できる対策を組み合わせていきましょう。


家庭の洗濯物が入ったランドリーバスケット

家族が発熱したとき、タオルや食器、洗濯物は全部分ける?

家庭内の感染対策で迷いやすいのが、共用品の扱いです。

「食器も洗濯物も、全部別々にしなければ」と考える方もいるでしょう。

ここでも、感染症によって対応は異なります。

新型コロナウイルス感染症について、厚生労働省は家庭向けの対策を示しています。

洗浄前の食器などは、共用を避けます。一方、使った食器や衣類を家族のものと分けて洗う必要はないとされています。

つまり、すべてを別々に管理するとは限りません。

病名が分かった場合は、その感染症に合った情報を確認しましょう。

公的機関の最新情報を参考にすると、必要以上に対策を増やさずに済みます。


家中を消毒した方が安心?

家族が発熱したとき、ドアノブやテーブル、スマートフォンなど、触れた場所が次々と気になることがあります。

ドアノブやテーブル、スマートフォンなどを、何度も消毒したくなるかもしれません。

ただ、感染症はすべて同じ方法で広がるわけではありません。

飛沫が関係するものもあれば、接触が関係するものもあります。空気中の細かな粒子が関係する感染症もあります。

そのため、消毒だけに集中するのはおすすめできません。

まずは、換気や咳エチケットを意識しましょう。必要な場面で手を洗うことも大切です。

感染経路に合った対策を組み合わせることがポイントです。


なぜ手洗いや咳エチケットが大切なの?

感染対策を理解するには、「病原体がどこから体に入るのか」を知ると分かりやすくなります。

呼吸器感染症では、飛沫が関係することがあります。空気中の細かな粒子が影響する場合もあります。

また、手などを介して広がることもあります。

目・鼻・口は、体の外と内をつなぐ場所です。

そのため、手についた病原体を広げないことが大切です。咳やくしゃみを周囲に飛ばさないことにも意味があります。

室内の空気を入れ替えることも、基本的な対策の一つです。

予防研では、「感染はどこから始まるの?」シリーズで、感染の入口について詳しく解説しています。

「感染はどこから始まるの?① ウイルスは“空気”じゃなく“ここ”から入る」

「感染はどこから始まるの?③ 目・鼻・口、どこが一番危ない?」


全部を完璧に分けなくても大丈夫

家族が発熱すると、できるだけ感染を広げたくないと思うものです。

ただ、家庭内で感染の可能性を完全にゼロにすることはできません。

また、必要な対策は感染症によって異なります。

まずは換気、手洗い、咳エチケットなど、基本的な対策から始めましょう。

原因となる感染症が分かったら、その病気に合わせた最新情報を確認します。

「全部分ける」「家中を消毒する」と考える必要はありません。

家庭の状況に合わせて、続けやすい方法を選ぶことが大切です。

症状について心配なことがある場合や、受診するか迷う場合は、医療機関などに相談してください。

参考資料

・厚生労働省「急性呼吸器感染症(ARI)に関するQ&A
・厚生労働省「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A
・厚生労働省「感染対策・健康や医療相談の情報
・厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について

こちらもあわせてご覧ください

最近の記事